冷え性改善には漢方薬が向いています

冷え性で悩む人なら1度は漢方に興味をもったり実際に服用している方も多いと思います。漢方薬は『生薬』と呼ばれる天然の植物、動物、鉱物を原料としています。西洋医学のお薬は材料から取り出した有効成分を科学的に合成したもので、病気に直接強い作用を及ぼす即効性を持っています。反対に漢方薬の作用はゆるやかに穏やかに現れます。

これはどちらが優れてどちらが劣っているということではなく、得意な治療の分野が違うという話です。病の箇所を重点的に治療する西洋薬に比べて、漢方はまず全身のバランスを整えて体質を改善し、健康を取り戻すことで結果的に病気を治していく薬だからです。副作用と身体への負担が少ないのが特徴です。

身体の冷えを病気ではなく体質としている西洋医療よりは、漢方医学の方が冷え性の改善には向いています。出来るならば専門家――例えば漢方薬局の薬剤師さんや漢方薬を取り入れている婦人科のお医者様と相談してどの薬を飲むか選んだ方が良いでしょう。漢方医学は患者さんの『証』を診断してそれに合った漢方薬を処方します。証は漢方医学独特の診断法です。患者さんの体質や体力、全身に現れている症状などから総合的に判断します。

この診断方法では同じ冷え性でも『証』が違えば処方される漢方薬は違ってきます。証を診断するための基準に『気・血・水』という概念があります。気は生命活動のためのエネルギーのこと、血は血液の働きと血流の状態、水は汗や尿、リンパ液などの体液の動きのことです。この三つのバランスが互いにバランスよく影響しあっているのが健康な状態だということなのです。逆に言うと、この三つのうちのどれか一つでも不足していたり滞ると身体に不調が起こってしまうという訳なのです。

ここで簡単に冷え性によく処方される漢方薬を紹介します。気に滞りのある『気虚』で冷え性の人によく処方されるのが人参湯(にんじんとう)です。体力がなくて手足の冷えが強く、胃腸に障害が出やすい人向けです。血に滞りがある『お血』の人には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)。冷え性で月経痛、貧血、腹痛があり、シミや痣が出来やすい証の人に用いられます。水に滞りがある『水毒』の場合は真武湯(しんぶとう)。体力があまりなくて疲れやすく、下痢や腹痛めまいを起こしやすい人向けです。

漢方を利用してみたいけれど近くに専門の薬局もお医者さんもないという方は一般の薬局で手軽に利用出来る漢方薬を使ってみるのも良いでしょう。最近は親切に合う症状をパッケージで解説してくれている薬が多いのでそれをもとにして自己チェックを行ってから選んでください。他にも有名なロングセラーの養命酒や命の母、中将湯などが購入できます。かくいう私は養命酒の愛用者です。不調がひどい時には夜眠る前にお湯で割っていただきます。お湯の温かさと養命酒の生薬成分で身体がぽかぽかとしてよく眠れるのです。

ただ、漢方薬にもまったく副作用が無いというわけではないので、服用してどうも身体の調子がおかしいなと感じる場合はすぐに服用をやめてくださいね。先にも書いたように効果はゆるやかなのでまずは2週間を区切りに様子を見てください。効果は出ているか、副作用はないかチェックして特に問題がなければ合っているということになります。冷え性はは慢性的な症状ですので服用期間は3ヶ月をひとくぎりとして症状が落ち着いてきたら作用の弱い薬にしたり量を減らしたりしていきましょう。